Design Column

デザインコラム

1957年(昭和32年) 洗濯機

―歴史の中にシャープがある。デザインがある。ミュージアム40周年合同企画「IN HISTORY」―

こんにちは。シャープミュージアムの藤原です。この度、ミュージアム説明員の藤原と中谷がシャープの製品や歴史について自由に語る、シリーズ企画を始めました。ほんの少しでもシャープの歴史にご興味を持っていただけましたら幸いです。

今回語るのは「1957年(昭和32年) 洗濯機」です。

進化する洗濯道具

高度経済成長期の真っ只中に登場したこの洗濯機、機械を使った洗濯は、三種の神器のひとつに挙げられ家事の効率化に一役買いました。

洗濯機は、時代の流れとともに目覚ましく進化をとげた家電製品の一つ。
人々は長い間川や泉で洗濯を行っていましたが、やがて石や棒などの道具が使われ、桶やたらいなどの容器を利用するようになり、さらに容器ごと回して撹拌(かくはん)する方法が考えられたとか。
その後、かき回しの棒などが取り付けられた手動洗濯器ができて、電気の発見・発明により電動機(モータ)が開発されると、手動洗濯器は電気洗濯機に発展したそうです。

日本でも、「たらい」と「洗濯板」での毎日の重労働から人々を解放するきっかけになるとともに、日本の新たな家電産業の起業に貢献したことでしょう。

今では、ボタンを押せば洗って乾燥までしてくれる道具に!
もはや洗濯機のない生活は想像できないですね。

安らぎのフォルム

とっても働き者なのにカリカリしているように見えない、この滑らかな優しいフォルムには安らぎさえ覚えます。全体に角がない、この安らぎのフォルムは、気の休まる暇がない現代にこそ、あってほしいかも。

ところで、側面にグリップのついた棒はどのように使うものかご存じでしょうか。写真の洗濯機には、一槽式で取り外し可能な手動の「ハンドル式絞り機」がついています。
洗濯が終わると2本のローラーに洗濯物を通し、手でハンドルを回すと脱水ができました。
まるでパスタマシーンに通すみたいです。洗濯物も絞れるし、上腕筋のトレーニングにも!

さらに、洗濯槽の蓋は、洗濯かごの代用にも使いやすいように左右に手穴があいていて、絞り機の外に取り付けると、脱水時の「絞った衣類の受け皿」として活用することができます。
ちなみに正面には大きなダイヤルが2つあります。ひとつは水流の強さを変えるダイヤル。もうひとつは何分廻すか、使う人が自分の都合で洗濯時間を決められるダイヤル。自由度が高いです!

使う人の様子を観察したり、意見をヒアリングしたり。人に寄り添って使いやすい工夫をたくさん盛り込んだことが想像できますね。

夜も洗濯したい!に応える

このモデルが登場してから一年後には、今では考えられないユニークな創意工夫を採用した後継機が登場します。
明るいランドリースペースやサニタリーなどが家になかった当時、洗濯機が置かれる場所は団地ならベランダ、戸建でもキッチン裏の土間だったりと夜になると薄暗い環境に置かれることが多く、夜に洗濯するのは不便で気乗りがしないものでした。
しかし時代の流れは高度経済成長期。昼夜問わず働く日本人は夜間にも効率よく洗濯したいというニーズが高まっていました。そこで、後継機として洗濯槽のTOP部分に蛍光灯を配置して明るく見やすく快適に洗濯できるように工夫したモデルが登場します。

蛍光灯照明付き洗濯機ES-300

今とは違う時代の匂いや当時の設計者の思いやりに、懐かしかったり驚いたり、なんだかほっこりと温かい気持ちになりました・・・。

 

今回はここまで!次回は「漆絵ラジオ」についてご紹介する予定です。

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このシリーズでは、シャープミュージアム説明員の藤原と中谷が、シャープの製品や歴史について自由に語ります。ほんの少しでも、シャープの歴史にご興味を持っていただけましたら幸いです。