これまでに数え切れないほどデザインモックアップを作ってきましたが、そのひとつひとつに、困難な課題を解決する物語があります。このテレビでは「映像を映し出す1枚の板が美しく佇むさま」を目標にデザインしました。大型テレビを真っ直ぐに立たせるのって、意外と大変なんです。設置で傾かないように、また、地震で倒れたり曲がったりしないように、頑丈に作らなくちゃいけなくて、どうしてもゴツい姿になりがちです。今回は、設計の人たちに沢山協力してもらって、従来にない新しい佇まいのテレビに挑戦しました。画面と脚を曲線で繋がったひとつの形にまとめ、シンメトリ―で、しなやかに伸びた4本の脚と接地部分の位置や角度、厚みや質感などにもこだわりました。何度も検討を重ね、曲面とエッジを使って、無駄のないエレガントなフォルムで空間に心地よく佇むプロダクトにできたかな、と思っています。
休日は自然の中に身を置くのが好きです。人工的なものに欠けているものや、まだ見つけていない美しいものを探したいです。自然の中で、美しい色や形、心地いい風や音など、人と物との間で活かせるヒントを見つけられたらいいな、と思っています。
※所属や内容は記事作成当時のものです
Product Design
堀田 昭彦
Akihiko Hotta