快適な触り心地とシンプルなデザインを両立させたスマートフォンです。人間の指先はとても敏感で、0.1mmの寸法差によって触り心地が全く違って感じられます。手に触れる道具としての馴染みの良さはこの機種で一番力を入れた部分です。例えばボディ側面のエッジ形状は、角度や曲率を何度も試作を重ねながら調整しました。一方、毎日の暮らしに寄り添う存在だからこそ、シンプルでクセのないデザインにこだわりたい。持ちやすい形状とスッキリした印象を両立させるために、技術との話し合いを繰り返し設計を限界まで詰めることで、バランスの良いフォルムに仕上がったと思います。アルミユニボディのカラーリングは、金属の上質感を引き立てつつ、サラサラ感にこだわったマット調の仕上げです。見ていて気持ちの良い、飽きの来ない道具を目指しました。
手を動かすのが好きで、休日は木工家具を作ったり、古い家具を修理したりしています。ものを作る上で、道具は大切なパートナーです。面白いのが、良い道具は使うたびに品質が上がっていくのです。私にとって“Do-It-Yourself”の精神が、ものの良し悪しを知る尺度であり、アイデアの源泉です。
関連情報
※所属や内容は記事作成当時のものです
Product Design
和気 琢哉
Takuya Wake