ブランディングツール Communication Designer

シャープブランドをもっと広く遠くまで

CEO オフィス デザイン担当
ビジュアルコミュニケーションデザイン
荒木 藍
Ai Araki

大学時代はグラフィックデザインやUX デザインを学び、今はブランディングに関わる仕事をしています。携わっていることは、所属部門のWEB サイト運営やデザイン誌の広告制作、事業ブランド確立支援、会社公式インスタグラム運営など。これからも、いいね︕と誰かの心をくすぐるものづくりを、ブレずにコツコツ続けていきたいです。

インタビューアー
大伸社ディライト ライター
黒川 陽子
Yoko Kurokawa

日本のメーカーとして、次々と新しい製品を世界に送り出すその裏側には、きっとたくさんの想いや夢があるはずです。今、シャープデザインがこだわる「笑顔の品質」とは?あの商品のデザイナーって、どんな人?率直に問いかけて、デザイナーさんの隠れた熱い想いを紐解いていきます!

-荒木さんと言えば、まさにコレ。いつも一緒に仕事をさせていただいている、「Designer’s Voice(デザイナーズボイス)」ですよね。

いつもお世話になっています!とうとう、自分が運営しているWEB サイトに自分が出るときが来ました( 笑) 。デザイナーズボイスは、外からは見えにくいインハウスデザイナーの魅力を、作り手の生の声としてお届けしています。私で65 人目になります。

-65 人ですか!すごいボリュームですね。続けてこられた手応えはいかがですか?

入社した人から「デザイナーズボイスを見て入社したいと思った」という言葉を聞いた時、とてもホッとしました。想定する読者像はいたものの、姿は見えないので不安だったんです。最近は、「コレに出ることが目標でした!」と喜んでもらえたり、「この人を掲載してほしい」と推薦してもらえたりすることもあります。採用応募者数も増えているので、WEB サイト立ち上げから5 年経って、ようやく効果が見えてきたなーと思います。

-それは嬉しいですね。荒木さんは、長いスパンのお仕事が多いのでしょうか?

そうなんです。私がやっている仕事はブランディングに関わることなので、長く取り組んでいるものが多いですね。アイデンティティと同じで、ブランドは一日では生まれなくて、相手とのコミュニケーションを重ねることで芯が見えてくるものだと私は思っています。

-ここを心がけている!といったことはありますか?

「一貫した態度で取組むこと」ですね。例えばデザイナーズボイスでは、その人らしさが伝わるエピソードでデザイナーの声を届けることを大切にしています。記事の原稿はデザイナー本人から提供してもらうのですが、「商品の説明文になってしまう」ことがときどきあって。でも私たちは、Designer’s Voice という場なので、デザインの話を紹介したい。そんなときは、「一番伝えたいデザインポイントはどこですか」と聞いて調整を進めます。

-おお、デザイナーさん自身が原稿を書いているんですね。それは個性が輝きそうです。

そうですね。真面目な人が多いので内容が少し堅くなりがちですが、それも魅力と捉えています。また、個性を活かすのはもちろん、一方で、コンテンツ全体のトーン調整をしています。例えば、トーンの暗い写真があれば顔色を明るくしたり、誰かが傷つくかもしれない言葉遣いがあればやわらかくしたりします。一つ一つのちょっとした表現のテイストが、総合的なブランドイメージに響くと思っているんですよね。だから、ブランド表現をブレずに世界観をつくることを意識しながらいつも取り組んでいます。

-なるほどー。世界観といえば、リクルート向けシリーズ広告も荒木さんのお仕事ですね。

はい、とても手応えのある仕事です。このデザイン広告も数年に渡って展開してきました。

-どれも「人」が登場していますね。コピーは「○○もデザイン」で統一されてる。

学生を含め、「AXIS」はデザインに関心のある方が読む雑誌なので、主にリクルートを目的として展開しています。このシリーズ(上部写真)では「シャープのデザイナーを知る」というテーマで毎回、1 人のデザイナーを通して、経験豊富なデザイナーならではのストーリーを抽出して紹介しています。

-荒木さんは、広告ができあがるまでのどの部分に関わっておられるんですか?

もう、全部です。 もちろん一人で全部というわけではなく、企画はリクルート担当のメンバーが担っています。私はデザインディレクションをする立場として、企画から撮影ディレクション、コピー制作、レイアウト、すべてに参画させてもらっています。

-その中で、ココが面白い!ココがこだわり!というのは。

写真ですね!アイデア豊富なカメラマンさんたちと一緒に、「これはどう?」「あれも試そう」とディスカッションしながらの撮影。
時間や環境条件が限られた中、えいやっ!と挑戦する瞬間にたくさん出会います。写真1枚1枚に思い出があるんですけど…話が長くなるのでここではやめておきますね(笑)

-以前の「シャープのプロダクトデザインを知る」のシリーズも、撮影は相当こだわっている感じですね。

はい、プロダクトシリーズでは「ヒーローカットの概念を変える」という思いで、一般的なカタログ写真とは違うアート感覚の視点で撮影に臨みました。掃除機の撮影では特にそれを達成できたと思います。今までは「掃除機写真といえば、持ち手から吸込口までの全体が写るカットが定番だよね」と言われていました。しかし広告では、吸込口を大胆にカット。それによって一番伝えたかったボディのデザインを際立たせる、ということをやりました。まあもちろん、中には反対意見もありました。やはり吸込口は商品の大事な部分なので・・・

-わあ。それほどタブーなことだったんですね。その後どうなったんでしょう。

「このデザインの魅せ方もかっこいいと思う。提案させてほしい。」という姿勢で、チームで考えを再度伝えて、なんとかGO サインを得ました。すると、広告掲載後しばらくして、なんと、掃除機のWEB サイトで持ち手だけが大きく取り上げられた写真がメインビジュアルとして掲載されていたんです!「AXIS の広告を参考にしたよ」とは言われていませんでしたが、新しいヒーローカットとして受け入れられたんだと、こっそり思っています(笑)

-思いましょう!(笑)ちなみにブランドへの意識は入社当時からあったんですか?

そういえば、私が入社して初めて任された仕事がまさに、シャープという会社の「顔」をつくることでした。

-ええっ、新卒で!?会社の顔!?

カタログ、CM、WEB サイト、あらゆる媒体に使われる「組みロゴ」をデザインしました。「SHARP」のロゴと「Be Original.」を組み合わせて…

-ああっ、いつも目にしている、あの組みロゴ!!

2016 年の11 月に、シャープは新しいコーポレートスローガンとして「Be Original.」を制定したんです。それを、どのようなバランスで社名ロゴと組み合わせるか。「堂々としていて、エレガントなイメージに」という依頼を受けて取り組みました。

-最初の仕事がそれって、すごく意味のあることでしたね。

そうなんです。組みロゴを制作するにあたって、「Be Original.」に込められた思いやシャープブランドの思想とじっくり向き合いました。周りの先輩方もよく相談に乗ってくれて、都度思考を確かめられたので自信をもって進められましたね。

-いつも一緒にお仕事をさせていただいている荒木さんに、そんなストーリーがあったとは!次はどんなストーリー( 未来) を思い描いていますか?

そうですねー。ウェブサイトやSNS などを活用しながら、もっと海外に向けて取組みを展開したいです。私は所属部門のWEB サイトや会社公式インスタグラムの運営に携わっていますが、その他業務も含め、内容が充実してきたなという感触があります。取り組んでいることのなかには、日本だけでなく海外に向けてのブランディングにも活用できるものがあると感じるので、発信できる領域を広げていきたいです。

-ではおわりに、オフタイムの荒木さんの知られざる一面も教えてください!(笑)

実は、お菓子作りや手芸が好きなんです。お菓子は、会社の皆さんにいつも食べてもらっています。手芸では、刺繍したり、着物をリメイクして作ったワンピースを友人と一緒に着てお出かけしたり。どちらの趣味も、「好きな人たちと楽しい記憶をつくる」ことに繋がるからやっているのかもしれません。実験的に楽しむ姿勢は、趣味でも仕事でも同じですね!

※所属や内容は記事作成当時のものです。

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